~襷~ 準備が導く挑戦の先に
【襷(たすき)】は、駒澤大学に通う皆さんが「どのような社会人生活を送りたいか」をイメージできる、キャリアセンター発の連載企画です。在学生が現在活躍する駒大OB・OGを訪問し、先輩たちのリアルな声をお届けします。
小林優治先輩に、経済学部3年 石井/増田が取材しました!(2025年4月取材)
大学時代の経験が今に生きる
大学時代はどのようなことに時間を使われていましたか?
大学時代は主に3つのことに時間を費やしていました。まず準硬式野球部での活動、次に深見ゼミでの活動、そして大学生活を支えるアルバイト。この3つが学生生活の中心でした。勉強ももちろんそこそこやっていましたが、部活・ゼミ・バイトの3本柱で充実した日々を過ごしていました。
深見ゼミは縦の繋がりが特に強いゼミで、先生も学年を超えた交流を大切にしていました。3年生の時は、証券ゼミナール大会に向けた準備が中心になります。この時は上級生から様々なことを教わりながら研究を進めていきました。逆に4年生になると、今度は下級生たちに教える立場になります。先輩から受け継いだ知識や経験を後輩たちに伝えていくという、いわば「伝承」の意識を持って活動していました。
「準備」の大切さをどのように学びましたか?
深見先生からは常々「勝負は準備で決まる」と言われていました。この言葉は大学時代だけでなく、社会人になった今でも上司や取引先から言われる大切な教えです。勝利の8割、9割は準備で決まるといっても過言ではありません。
特に重要なのは、起こりうる質問やシチュエーションを事前に想定し、それに対する答えを考えておくことです。ゼミ活動では友人と議論を交わしながら、様々な角度からの質問に対する回答を準備していました。
この経験は現在の仕事にも直結しています。取引先との商談でも、相手からどのような質問が来るか、どのような展開になるかを事前に想定し、準備しておくことが成功の鍵となっています。頭の中だけで考えるのには限界があるので、実際に誰かと話してみることで、より深い準備ができるようになります。
どの程度のタイミングで就職活動を意識し始めましたか?
就職活動を意識し始めたのは3年生の頃でした。深見ゼミでは卒業生が来校し、就職活動の体験談や企業説明をしてくれる機会があり、そこから本格的に就職について考え始めました。実際に活動を始めたのは3年生の秋口くらいからで、ゼミ活動と並行しながら徐々に就職活動に力を入れていきました。
就職活動の成功要因と社会人生活
就職活動で成功できた要因はなんですか?
最初は就職活動がなかなかうまくいかない時期がありました。自己分析はしっかりできていて、大学時代に頑張ったことなどは上手く説明できていたと思います。そのため一次面接は通過できたのですが、そこから先に進めないことが多かったです。
転機になったのは「なぜうちの会社でなければならないのか」という質問に対して、明確に答えられるようになったことです。自分がなぜその会社を志望するのか、他の会社ではなくその会社である理由をしっかり説明できるようになってから、就職活動がうまくいき始めました。大学時代の経験や強みを伝えるだけでなく、志望理由を企業側の視点に立って考え、説明できるようになったことが成功の鍵でした。
資格取得は就職活動に役立ちましたか?
実は就職活動のための資格は特に取得していませんでした。むしろ自分の強みとして、ゼミでの活動や準硬式野球部での経験を前面に出していました。資格よりも実際に取り組んできた経験や、そこで培ったスキルや考え方を伝えることを意識していました。
大学時代にやっておくべきことはありますか?
大学時代にしかできないことをやっておくべきだと思います。もちろん基本的なことはしっかりと押さえた上で、遊べるだけ遊んでおくのも大切です。様々な経験をして、色々な環境に飛び込んでいくことで、知識や人脈が広がります。そうした経験が社会人になってからの活力になりますし、様々な状況に対応できる力にもなります。
就職活動については、もっとキャリアセンターを活用すればよかったと感じています。特に面接練習などで自分の話し方や受け答えを客観的に見てもらう機会が少なかったことを後悔しています。私が就職活動をしていた時期はコロナ禍で、フィードバックを得る機会が限られていました。キャリアセンターや身近な人からもっと意見をもらえていれば、より早い段階で改善点に気づけたのではないかと思います。
現在の仕事と将来の展望
現在はどのような業務に携わっていますか?
現在は新規営業業務を担当しています。具体的には、建物を新しく建てるお客様に対してエレベーターの提案をする仕事です。完全に新規開拓というよりは、日頃からお付き合いのあるお客様に対するリピート営業が中心です。これらのお客様との関係を大切にしながら、新しい物件へのエレベーター導入を提案しています。現在は約20社のお客様を担当し、その他の問い合わせにも対応しています。
エレベーター業界は今非常に需要があり、多くの物件が建設されています。当社は新しく昇降機を設置した後も昇降機のライフサイクル全体に亘って高い基準でメンテナンスおよび修理を提供しますが、その後数十年に及ぶサービスのために改修工事を行うなど、長期的な視点でお客様との良好な関係を構築することを訴求しており、10年、20年、30年又はそれ以上へと続く取引を目指しています。
日本オーチス・エレベータに入社してよかったことを教えてください
最も良かったと感じるのは、挑戦できる環境を与えてくれることです。会社は若手にも「やってみろ」と挑戦する機会を与えてくれます。そして困ったときは必ず助けてくれるという安心感があります。会社のサポートのもと、挑戦しやすい風土が気に入っています。
社会人として大変なことと楽しいことは何ですか?
社会人として大変なのは、すべてが自己責任になることです。学生時代は授業料を払う立場だったので、多少のことはできなくても何とかなりました。しかし社会人はお金をもらう立場なので、すべての責任が自分に跳ね返ってきます。給料の対価として責任を全うしなければなりません。
特に難しい局面と言えるのはプロジェクトの最中に発生し得るトラブル対応です。お客様の高い期待に応えるため、明確でオープンなコミュニケーションは不可欠となります。そういった状況下で会社はしっかりとサポートを提供してくれるため、乗り越えることができています。
責任の重さが仕事の難しさですが、同時にそれが仕事のやりがいにもつながっています。自分の仕事が誰かの役に立ち、それに対して評価されることで充実感を得られます。大変さと楽しさは表裏一体だと感じています。
外資系企業ならではの特徴はありますか?
日本オーチス・エレベータは外資系企業ですが、やはり能力のある人に機会を与える文化が強いと感じています。実力があり、やる気のある人にはどんどんチャンスが回ってくる環境です。例えば、今私は通常業務とは別に、若手で役員に直接提言するチームに参加しています。若手社員の考えを役員に直接伝える機会があるのは、外資系ならではの文化から来ているのかも知れません。組織階層を飛び越えて意見を伝えられる風通しの良さが特徴です。
~小林先輩の社内同期_山口様(人事部採用チーム)より~
小林さんは、すごく優秀です!実際、社長賞を入社2年目と4年目に2回も受賞しました。今は若手プロジェクトに一緒に取り組んだり、業務上の悩みを相談し合ったりと、頼りになる存在です。同期入社として5年間一緒に過ごしてきた中で培われた関係性は、今後のキャリアを考える上でも大きな支えです。お互いが成長して管理職になったときにも助け合える関係を築けていると感じます。
仕事以外で挑戦したいことはありますか?
英語力の向上です。当社では英語ができないと管理職や上の立場になれないことが明確に示されています。私自身まだ英語が十分ではないので、これからしっかり取り組んでいく必要があります。特に社長が海外の方なので、役員への報告会など重要な場面では英語が必須になります。まだ十分ではありませんが、そういった場面で発表するための準備をしていく中で、英語力を高めていきたいと考えています。
キャリアについてどのような展望を持っていますか?
入社して5年目になりますが、まだまだ知らないことが出てくる毎日です。「いつになったら一人前になれるのだろう」という思いはありますが、経験を積んでいきたいと考えています。
その中で部下や後輩を持ち、管理職になっていきたいという気持ちが強くあります。部署を大きくしていくためにも、自分自身が一人前になることが重要だと感じています。上司が次々と上の職位に移っていく中で、自分たちの世代が会社を支える立場になっていく必要があります。そのために日々精進していきたいです。
駒澤大学生へのメッセージ
今学生の皆さんが持っている最大の武器は「時間」です。その時間を使って、様々なものを見たり聞いたりする環境に自分から飛び込んでいくことが大切です。色々なことにチャレンジしてみてください。
社会に出ると、想像以上に多様な会社や仕事があることに気づきます。自分のやりたいことから仕事を探すのも大切ですが、もっと広い視野で様々な仕事を知ることで、自分に合った会社や仕事を見つけられるようになります。
大学時代の経験は必ず社会人になってから生きてきます。私にとって深見ゼミでの活動や部活動での経験が、今の仕事の基盤になっています。特にゼミ活動は、人と話す力や論理的に考える力を養う最高の場です。人と一緒に課題に取り組む経験は、社会でも必ず役立ちます。会社での仕事は一人でやることはほとんどなく、様々な人と協力して進めていくものだからです。
そして何より、今しかできないことに全力で取り組んでください。その経験が将来の自分の強みになり、社会人としての活躍の土台になるはずです。準備を怠らず、責任感を持って取り組むことで、どんな環境でも力を発揮できる人材になれるでしょう。
おわりに~インタビュアーの感想~
今回機会に恵まれ日本オーチス・エレベータ様に取材させていただくことができ、非常に光栄であるとともに自身の就職活動への考え方を好転させていただけたなと感じました。取材を通してお答えくださった小林先輩の仕事、勤めている企業への「挑戦することを楽しみ、挑戦させてもらえる環境に感謝する」考え方や信念の部分をお聞きすることができ感銘を受けました。
私も小林先輩のように今の環境に感謝し、自己研鑽をしていきたいなと思いました。
[聞]・[著]
経済学部経済学科3年_石井秀平
経済学部現代応用経済学科3年_増田虎之助
[写]
キャリアセンター_山口魁紀
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