社会連携・生涯学習Social activity & Lifelong learning

学長メッセージ

 今、私たちは大きな変革の時代を迎えています。不安定な世界情勢、急速に進化するAIなどのテクノロジー、生活や生命を脅かす環境問題など、予測することが難しい課題が次々と露呈しています。

 このような事態に世界各国が危機感を持ち、2030年までに達成すべき具体的な目標として掲げているのが、「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」です。

 駒澤大学は、釈尊の教えである「智慧」の探求と「慈悲」の実践に努めてまいりました。「智慧」とは、真実を見通す眼をもって本当に大切なことを見分ける力です。「慈悲」とは他者の喜びや悲しみに共感するいつくしみの心です。

 さらに今年度からは、誰からも愛される大学となるために、これに「縁起」を加えました。「縁起」とは、私たちは決して独立した存在ではなく、すべてが関わり合って生きているという釈尊の教えです。

 こうしてみると、SDGsの考えは、すでに2500年前から仏教の中で息づいていたことに気づかされます。すなわち、SDGsの目標とするところと、駒澤大学の建学の精神である仏教とは強固に繋がっているのです。

 実際、駒澤大学では、クールビズや防災イベント、食料品・生理用品支援など、さまざまな取り組みを実施しています。これらの取り組みを通じて、学生と教職員の環境問題や多様性などに関する意識は確実に高まっています。

 私は、駒澤大学が一丸となってSDGsに取り組んでいる姿勢を目の当たりにして、日々、自分に課せられたミッションについて考えを巡らせています。

 例えば、私たち全員がSDGsをより一層、自分事とするために、駒澤大学でも、毎月17日に設定されている「国民的SDGsの日」に、SDGsカラーホイールと同じ色をファッションに取り入れるという運動を推進するのは、いかがでしょうか。

 こうした運動を取り入れることで、駒澤大学に集うすべての人々が、この日に周知されるSDGsの項目に関心を持ち、SDGs推進の輪をさらに広げるのではないかと期待しています。

 なお、私個人としては、最近、サボテンやりんごの果皮から採る繊維を皮革のように加工した「ヴィーガンレザー」に関心を持っています。また、洋服のサブスクリプションも、「ものを増やさない行動」としてSDGsに通じるものがあると思います。ただし、レンタルにともなう輸送などのエネルギー問題も併せて考慮する必要があります。

 SDGsを推進することは、自然や社会を幅広く見渡す視点を持つことと同義であると言ってもよいでしょう。それは、物事を正しく知り、他者を尊重しながら、関わり合いを持つという意味で、仏教にも通じています。

 今後とも、本ウェブサイトを通じて「駒澤大学×SDGs」の取り組みを広く紹介し、SDGsカラーホイールのような大輪の花を咲かせる学生や教職員の活動を、心から応援していきます。

2025年5月2日
駒澤大学長 村松 哲文

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